春のウイーン(2)
ドナウ川遊覧とメルク
バスはクレムス KREMS の街を通過し、デュルンシュタイン DURNSTEIN の街でバスを降ります。山の上に城の廃虚がありますが､この城はイングランドのリチャード１世（獅子心王）が監禁された城です。１２世紀、第３回十字軍に参加したリチャード１世は、十字軍からの帰途、計略にかかってオーストリア公に囚えられ、城に監禁された。この話は、子供のころから親しんだ話なので、廃虚の城を見上げて感慨深いものがありました。
細い道の真ん中をだらだらと歩いていたら、後から車が来ました。ガイドの声で外国人は皆、左端に避けるのですが、日本人だけは右端に避けたので、思わず笑ってしまいました。日頃の習慣は恐ろしい！
ツアーのパンフレットより
WEISSENKIRCHEN の船着場からドナウ川の遊覧が始まります。
クレムスからメルク付近はヴァッハウ渓谷と呼ばれています。船上のスピーカーからはウインナワルツが絶え間なく流れてきます。
AGGSBACH DORF で下船し、バスでメルク MELK へ向います。
メルクのRESTAURANT UND KELLER DES STIFTES MELK で昼食になります。
献立は、
シュー入りスープ
ビーフ・ステーキ ライス添え
チーズ・ケーキ
アイス・コーヒー
テーブルでは、日本人のカップルと同席になりました。彼等は関西のカップルで、ウィーンの食事は塩辛くて苦手だ、とこぼしていました。
その後、ワイン・ケラーでも試飲がありました。
今日のハイライト、メルク修道院 STIFT MELK の見学です。
この修道院は、１１世紀に創立したベネディクト派の修道院であり、ヨーロッパ最大のバロック様式建築の修道院だそうです。
教会、図書室、テラス等を見学しますが、外観は黄色、内部はさんぜんと輝く黄金色に満ち溢れています。上部のテラスからは、いかにもヨーロッパらしい整然としたメルクの街並が見られます。
ウィーンの森の散策
「ウィーンの森」と云うと、うたかたの恋で有名な皇太子心中事件のマイヤーリンクMAYERLING を思い出します。しかしマイヤーリンクは交通の便が悪そうなので、代わりにウィーン郊外の村グリンツィング GRINZING と、カーレンベルクKAHLENBERG の展望台に行くことにします。
オペラ座の前で市電NO.36に乗り、シェヴェーデンプラッツ SCHWEDENPLATZ で市電NO.38 に乗り換え、終点のグリンツィング GRINZING に着きます。乗客はあっという間に散ってしまい、二人だけが停留所に取り残されました。近くにキオスクがあるのを見つけ、バス停の場所を教えてもらいます。38Aのバスに乗り、終点のカーレンべルクに着きます。ホテルから約１時間45分。
カーレンベルクの展望台は標高484mで、ウィーンの森が良く見ええます。森、というよりは、山のようです。展望台から、一気にグリンツィングの村を目指して、葡萄畑の連なる斜面を下ります。途中葡萄畑の脇で、パンと牛乳の軽食をとります。色とりどりのヤッケを着た小学生が、遠足でしょうか、先生に連れられて下山して行きます。
グリンツィングの村はワイン造りが盛んで、自家製のワインの新酒を振る舞う居酒屋（ホイリゲ）が立ち並んでいます。ホイリゲの一つ、ルッケンバウアー RUCKENBAUER の軒先には、新酒有りのサインである、松の小枝が下げられていました。残念ながら昼間は閉店中です。
グリンツィングの村はベートーヴェン縁りの地です。ベートーヴェン・ハウス、ハイリゲンシュタット遺書の家へと向かいます。
遅い昼食を食べるために、エロイカ通り EROICAG のレストランSCHIEFER に入ります。献立は、
オニオングラタン・スープ
ターフェルシュピッツ
白ワイン
こじんまりとした家庭的な店ですが、一口食べてみて、美味しいのに驚きました。特に、ターフェルシュピッツは絶品でした。
この後、ベートーヴェンがよく散歩した、と云う小川の散歩道（ベートーヴェンの散歩道）を歩いた後、市内に戻りました。
旅の終わりに
ホテル ザッハ / ザッハトルテのお土産包装紙 ホテル ザッハ / ザッハトルテのお土産、木箱の刻印
ウィーンの街ではその他、ザッハトルテのホテル ザッハ、陶磁器のアウガルデン、グラスのロブマイヤー、ＮＨＫのニューイヤコンサートに出てくる楽友協会の豪華絢爛たるコンサートホール、陽気なワインケラー等、思い出につきません。
またいつの日か訪れたい街のひとつです。
作成日 2001/8/25、最新更新日 2008/7/18
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